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ニュースリリース

平成16年4月8日
株式会社エヌ・ティ・ティ ネオメイト
独立行政法人 産業技術総合研究所

グリッド技術を用いて、より一層のセキュリティを強化した
顧客情報管理システムの共同研究を開始

〜AQStagePF IPコールセンターサービスにて実現化を目指す〜

株式会社エヌ・ティ・ティ ネオメイト(以下、NTTネオメイト、大阪市中央区、代表取締役社長:西村 憲一)と独立行政法人 産業技術総合研究所(以下、産総研、千代田区霞ヶ関、理事長:吉川 弘之)は、コールセンターからの顧客情報漏洩防止やより安全な情報保管に役立てるため共同研究契約を締結し、本日より両者で共同研究を開始することになりましたのでお知らせします。

セキュリティ強化の特徴は、一旦顧客情報を個人が特定できないように細分化した後、グリッドコンピューティング技術を用いて複数のデータセンターに分散保管するもので、二重、三重の顧客情報漏洩を防止することを狙いとしています。研究成果は、NTTネオメイトが提供する「AQStagePF IPコールセンターサービス」に適用し、更なるIPコールセンターサービスのセキュリティ強化に生かしていく予定です。

1.共同研究の開始に至った背景

昨今、保険・証券、文具をはじめ各種商品の通信販売が急速に伸びている中で、住所、氏名、生年月日、電話番号、購入商品などの顧客情報が集中するコールセンターからの大量顧客情報漏洩が社会問題となっています。コールセンターでは、1顧客あたり5から100程度の項目の情報が、顧客数にして数100から数1,000万人分、情報記憶装置(ストレージ)に集中しています。従って、1度に数100万人分の顧客情報が漏洩してしまうケースも発生しています。また、コールセンター運用時には十分なセキュリティ管理がなされていても、システムの更改時に顧客情報を完全に消去せずに既存システムを廃棄すれば、顧客情報は容易に再現されてしまうことから、新たな顧客情報漏洩に繋がる危険性があります。コールセンターシステムは一般的に5、6年で設備更改されますが、このようにシステムの運用終了後も含めて情報漏洩を防ぐためには、例え盗まれたとしても価値のない情報にしかならないような情報の管理方法を実現することが鍵となります。

NTTネオメイトでは、この度顧客情報をデータセンターに預かるなどのセキュリティ強化を図った「AQStagePF IPコールセンターサービス」を提供することとしましたが、更に二重、三重にセキュリティを強化することで企業と消費者の方々がより安心して取引できる環境の実現について検討を進めてきました。

また、産総研グリッド研究センターでは、世界に分散しているスーパーコンピュータやストレージをブロードバンドネットワークで接続することで大量の情報を瞬時に処理できるグリッドソフトウェアを研究開発すると共に、グリッドコンピューティング技術での国際標準化団体をリードしてきました。その一方で、グリッドコンピューティングとセキュリティは利用方法によっては表裏一体の関係にあり、グリッドコンピューティング技術をセキュリティを確保しながら実ビジネス上で展開していく企業との共同研究を求めていました。

この度、両者のニーズの一致と昨今の社会問題を解決していく目標が一致したことから検討を進めてきた結果、グリッド技術を用いて「AQStagePF IPコールセンターサービス」のセキュリティをより一層強化することを目指し、顧客情報管理システムの共同研究を開始する運びとなりました。

2.共同研究の概要

顧客情報管理システムのセキュリティ強化方法として、従来から、

  1. 顧客の氏名、住所、購入品情報等が記入された、1つの固まりである電子ファイルを分割し、複数のデータセンターに保管するシステム
  2. 1つの記憶装置に情報をジグソーパズル化して記録するシステム

が提案されています。

今回の共同研究では、これらをグリッドコンピューティング技術を用いて新たに統合するシステムの実現を目指し、更なるセキュリティ強化を図ります。
システムの特徴は、(図−1参照)

  1. オペレーターが入力した顧客情報は、ファイルとして保管せず、一目では意味が分からないように細分化する
  2. 従来その内部に顧客情報を保管していた顧客情報管理サーバ(データベースサーバ)は、顧客情報を内部に保持しないまま、グリッド技術により複数のデータセンターに転送する
  3. 顧客情報管理サーバは、暗号化された顧客情報の保管場所情報のみを管理する

ことで、顧客情報管理サーバからも、また1ヶ所のデータセンターの情報記憶装置(ストレージ)からも、顧客情報を抜き出すことが困難になる点にあります。

グリッドコンピューティング技術を用いた顧客情報管理システムの実現は、今後あらゆる情報を、より安全に、より安価に蓄積できるデータセンタービジネスの展開にも大きな期待が持てることから、社会的意義の大きな共同研究であると考えています。

図−1.セキュリティを強化した顧客情報管理システム
クリックすると大きな画像で表示されます。 [別ウィンドウ表示]

3.研究開始時期とサービス提供

「グリッドコンピューティング技術を活用した情報セキュリティ強化の共同研究」
平成16年度、第3四半期の実用化を目指して、4月8日より1年間の共同研究を開始

<補足>

(*1) 株式会社エヌ・ティ・ティ ネオメイト(NTTネオメイト)

所在地:大阪府大阪市中央区内本町2丁目2−5
代表者:代表取締役社長 西村 憲一
URL:http://www.ntt-neo.com/

(*2) 独立行政法人 産業技術総合研究所(産総研)

所在地:東京都千代田区霞ヶ関1丁目3番1号
理事長:吉川 弘之
URL:http://www.aist.go.jp/ [別ウィンドウ表示]

※プレス発表/取材に関する窓口
独立行政法人 産業技術総合研究所 企画本部 報道室 井坂 正美
〒100-8921 東京都千代田区霞が関1-3-1
TEL:03-5501-0851 FAX:03-5501-0855 E-mail:pl-publ@m.aist.go.jp
成果普及部門 広報出版部
広報室 大竹 正俊
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(用語の解説)

AQStagePF IPコールセンターサービス
IPネットワーク(AQStage IP−VPN)を利用し、またIP−PBXや各種サーバをデータセンターに設置し、機器の空き容量を有効に使用しながらシステムを複数のコールセンターで共同利用するサービス。
図−2.AQStagePF IPコールセンターサービスのネットワーク構成
図をクリックすると大きな画像が開きます [別ウィンドウ表示]

グリッドコンピューティング
ネットワークを介して複数のコンピュータを結ぶことによって、仮想的に高性能コンピュータをつくり、利用者はそこから必要なだけ処理能力や記憶容量を取り出して使う技術。IPコールセンターにおけるIP−PBXや各種サーバの利用方法も、複数のコンピュータから構成されるシステムを複数のユーザで共用していることから、グリッドコンピューティング技術に親和性があると考えられる。
データセンター
顧客のサーバを預かり、インターネットへの接続回線や保守・運用サービスなどを提供する施設。「インターネットデータセンター」(IDC)とも呼ばれる。
ストレージ
コンピュータでデータやプログラムを記憶する装置。フロッピーディスクやCD−Rなども含まれるが、本文中では特に、複数のハードディスクから構成される専用装置のことを意味する。

ニュースリリースに記載されている内容は、報道発表時のものです。
最新の情報と内容が異なる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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